次は金融、エネルギー銘柄!?トランプ次期大統領ほぼ確か?利下げの行方はどうなる?買い時はいつ? 20240720
動画はこちら。(動画ではコアサテライト戦略についてもお話ししています。)
こんにちは。あるころうのNISA投資チャンネルです。このブログでは、週末に1週間の出来事と経済指標の動きをチェックし、米国株、政策中心のデータや話題を取り上げ、週末にまとめてみれば大体わかる動画作りを目指しています。
また、米国株中心のNISA口座の増減を視聴者の方のペースメーカーになるように公開しています。動画の最後には、来週控えている経済指標や決算発表の予定をチェックしていきます。
経済指標とセンチメントチェック
まずは経済指標とセンチメントをチェックしていきましょう。
今週の経済カレンダーに予定されたイベントのうち、火曜日には、パウエル議長のスピーチがありました。
ブルームバーグの見出しは、「最近のデータでインフレに関する自信深めた」とあり、
・先週発表された一つを含む直近三つの指標で、幾分自信は深まった
・労働市場が予想外に軟化した場合も金融政策対応の理由になり得る
と要約されています。
先週は、CPI、コアCPIともに、前年度比、前月比が全て低下を示しました。また、労働市場では、今月5日に発表された、非農業部門雇用者数も、前回と比較し、66,000人減少しました。
労働市場は、直接国民生活に関わってくるために、かなり気にしているようです。
同日火曜日、小売売上高前月比が発表されました。前回0.3%のところ、予測、結果ともに、0%でした。インフレ抑制が結果として示されました。
水曜日には、建築許可数速報値が発表されました。
前回1.399ミリオン、予測1.4ミリオンのところ、結果は若干上昇し、1.446ミリオンでした。
続いて 米ドル円の為替をチェックします。
先週の為替介入で157.9円だったのが、なぜか17日にさらに下げて、18日午前中に155円台まで下げた後、157.3円台まで戻りました。1週間を通してだとほぼ横ばいです。
チャートを先週の為替介入のあった時点まで表示させると
4つの出来高のピークを確認できますが、今回の下げでは、ピークが確認できず、連続的に売られたような出来高になっていました。出来高だけ見ると為替介入ではないように見えます。
続けて株式市場の状況を見ていきます。
株式市場の心理を示すCNNのフィア & グリードインデックスでは、強欲:グリードを示していたインデックスは56から49へ、中性:ニュートラルに入りました。
S&P500から見るマーケットモメンタムは、エクストラグリード:極度の貪欲から、グリード:貪欲に変わりました。トレンドは、125日移動平均線より上ですが、下降ぎみにトレンド変換が起きているように見えます。
今週S&Pは5,615ドル台から下降し、5,505ドル台でした。
VIX:ボラティリティインデックスを見てみると、恐怖指数はこれまで横ばいだったニュートラルから極度の恐怖へ、VIXが垂直に上昇しました。
前回12.46ポイントから、16.52ポイントです。
イールドカーブは徐々に、逆イールド解消に向かっています。前回マイナス0.27から、今回マイナス0.24と、長短金利差がなくなってきました。
今週の動きと市場のセンチメントをまとめると、
・インフレ関連は小売売上高前月比が低下
・パウエル議長スピーチでは労働市場への影響を気にしている内容
・フィア&グリードインデックスでは、強欲のグリードからニュートラルへ
・S&P 500マーケットモメンタムは、極度の貪欲が維持されていた状況から貪欲へシフト
・ボラティリティインデックスは、ニュートラルで横ばいだった状況から極度の恐怖へ急激に変化
・Yield Curveは、逆イールドが解消に向かいつつある
先々週の為替の影響と、多くの市場を揺るがすニュースで動揺があったと思います。指標は、急激に恐怖側へ、市場は急激な弱気を示しました。
フェドウォッチツールを確認すると、今月末7月31日には、95.9%が現在の金利が維持されると考えています。
最初に利下げがあるのは、9月18日と大半が予測する結果となりました。
先週は、90.3%だった予測が、現在、94.0%が9月の会合で利下げを予測しています。
今年の最後の12月18日会合まで見ると、予想の多くは、もう2段下げた450-475ベーシスポイントを示しています。
暗殺未遂から生還したヒーロー、トランプ次期大統領が誕生しつつあります。以前はトランプ氏は、大統領に再任したらパウエル議長を解任すると言っていました。
しかし、17日ブルームバーグによると、「FRB議長の任期満了前の解任は目指さず」とのことで、トランプ氏が大統領に再任してもパウエル議長を解任しないと明言しました。パウエル議長が、年内利下げをする動機が、経済指標やフェドウォッチツールでわかる通り、高まっています。
利下げにより経済が急激に良くなると、現政権、つまりバイデン大統領の評価が高まり、次の大統領がトランプ氏になったとしても、バイデン大統領は経済を大幅に改善したという実績を持って退任できます。
しかし、これは次期大統領候補であるトランプ氏にとっては、すでに良い状態の経済から、利下げという手札がない状態で引き継ぐため、そこからさらに経済を発展していくハードルが高まります。
パウエル議長に対し、任期を保証するのと引き換えに、年内の利下げを回避できれば、トランプ氏にとって大統領への再任後に、利下げを開始でき、それにより経済を活性化することができます。単なるタイミング的なことですが、それでも任期中の経済政策の評価が高まります。
このような思惑が考えられるため、今回の大統領選は経済に直結する影響力があります。
週間主要株式指数チェック
それではこれらを踏まえて週間の米国主要株式指数を見ていきます。
S&Pは、先週の終値5,615ドル台から、今週終値5,504ドル台で、
-111ドル
-1.96%
でした。
1年チャートで見ると、21日移動平均線と、28日移動平均線を割っています。
4月の下げでは、50日移動平均線を割って、90日移動平均線をタッチしたところで上昇に転じたので、その時よりもまだ影響は軽微です。
昨年8月から10月末にかけての相場は200日移動平均線も大きく割っていましたね。この時と比べたら割安というほどではないですが、まだそこが見えていない分、恐怖感はありますね。
今週のS&Pのヒートマップでは、電子テクノロジーとテクノロジーサービスが大きくやられ、比較的、金融、非耐久消費財、エネルギー鉱物、耐久消費財セクターが好調でした。短期トレードは、トランプ関連銘柄というよりも、セクターローテーションを見て売買できそうですね。
NASDAQは先週終値20,331ドル台から、今週終値、2万ドル台を割り19522ドル台で引けました。
-808.87ドル
-4.1%でした。
ヒートマップで見ると、電子テクノロジー、テクノロジーサービス、小売業がほぼ全滅です。消費者サービス、非耐久消費財が好調です。
中小小型株指数のラッセル2000の1ヶ月チャートは、大型銘柄が不調な中で調子を上げています。
日経225は先週終値41,230円台から、今週終値40,053円台で引けました。
今週は伸びず一時4万円台を割りましたが、なんとか4万円台をこえて引けましたね。
インド ニフティ50は、先週終値293ドル台から、今週終値292ドル台で引けました。ほぼ横ばいです。
シンセン総合指数は先週終値1219ドル台から、今週終値1225ドル台に上昇しました。2週連続上昇となりました。
ビットコインは先週925万円台から、現在、1,047万円台に上昇しています。
トランプ効果ですね。
ゴールドは先週2410ドル台から、現在2,400ドル台となっています。
これは1ヶ月チャートですが、上昇傾向の中で今週中盤に一気に上昇して戻りました。
ニュースチェック
続いてニュースチェックです。
先週末から今週にかけて、一気に状況が変わりました。
少し遡って大統領選は、先月27日のバイデン大統領と、トランプ氏の討論会から流れが決定的になった印象です。
・11日ウクライナのゼレンスキー大統領を紹介する際に、ロシアのプーチン大統領と言い間違え。
・13日にトランプ氏暗殺未遂事件が起こります。
この後、トランプ氏の人気は若者を中心に強化されて、力強い印象が広がります。
一方、バイデン大統領は、
・18日にコロナ感染で療養
・19日には、選挙撤退に向け家族と話し合いと報道されました。
ハリス氏への交代、トランプとイーロンマスク氏の関係性など他の動きも報道されています。大統領選はトランプ氏により優位に進んでいるように見えます。
19日ブルームバーグによると、
「システム障害で世界的大混乱、救急電話も不通-航空は2万便余り遅延」
との報道がありました。
クラウドストライクのソフトウェア更新が原因の不具合で、Microsoft Windowsの機能不全を引き起こし各地で大規模システム障害が起こりました。
個別株チェック
今週の個別株チェックです
システム障害で話題のクラウドストライクですが、3ヶ月チャートで見ると、5月初旬の株価まで下げました。
10%以上の暴落、直近高値からはかなりの幅で落ちています。
NVIDIAの3ヶ月チャートはこのような感じで、直近高値の6月20日からは、16%程度下げています。
次に個別株ではないですが、長期米国債ETFをチェックします。
CPI発表後に、長期米国債価格が上がってきましたが、先週からは下げていますね。仕込みどきの見定めが難しいです。
利下げも9月予測から、トランプ氏優勢となり、来年にずれ込む可能性もあると思います。個人的にはトランプ氏の優勢で、利下げは今年にはないかもとも思い始めました。
新旧NISA口座公開
新NISA口座は、1週間で65,222円のマイナスでした。旧NISA口座は、1週間で108,279円のマイナスでした。
新旧NISA口座の今週1週間の増減は、で173,501円のプラスでした。
来週の予定
来週の重要度の高い経済イベントをチェックします。
来週は、木曜日に「耐久財受注高の前月比」が発表されます。
耐久財には、自動車、家電、航空機、工業機械などがあり、この指標は企業の設備投資や消費者の大きな購買の動向を把握するために重要です。
同日、GDP成長率4半期の発表もあります。
金曜日には、重要なインフレ指標のコアPCEが発表されます。
続いてアーニングス ウィスパーズで決算予定をチェックします。
個人的にはテスラとグーグル、Xではスポティファイ、ビザ、アイビーエムに対してコメントがありました。
終わりに
先週のCPI発表、為替介入以降に相場が荒れて、日本の積立投資では大きく資産が減っているのではないでしょうか?
S &P500のチャートで確認した通り、直近の下げ相場と比較すると、まだまだ相場は弱くないことがわかりました。
資産の目減りは為替の影響が重なったため、大きく感じると思いますが、大統領選の行方を中止して、利下げに耐えられるメンタル的な準備をして握力を鍛える必要がありますね。
来週は最重要指標のコアPCEの発表が控えています。
また、テスラ、グーグルの大型決算発表があり、今後の株式相場に影響しそうです。大型銘柄に偏った資金流入から、先週のラッセル2000やダウ平均の動きを見ると、幅広い銘柄への資金の分散があったようです。
短期なら金融やエネルギーだけど、しばらく観察しないとセクターローテーションはわからないですね。
短期ならゴールドやビットコインも上昇傾向ですね。
利下げ期待によって上がってきそうな、長期国債ETFは上昇したり下げたりと、方向性に欠いていますのでなかなか入れません。
それでは、私自身は今後も、NISA口座の方針は変えずに、米国株メインの方針で握力を鍛えていきたいと思います。
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