
トランプⅡ政権、反転までどのくらい?過去米国で起きた関税政策の失敗から学ぶ!(3/30-4/5)
動画はこちら。(動画では私の投資戦略についてもお話ししています。)
あるころうのNISA投資チャンネルです。
今回は、今起きているトランプ政権による関税政策の混乱は、過去にも同じように関税政策をとった政権時の混乱が、株価にどのような影響をもたらし、回復までにどのくらいかかったのか、現在のトランプ政権の関税政策と比較しながら見ていきます。
まず過去、米国で関税政策をとった政権を一覧していきます。

この表は、過去の政権で関税政策をとった政権と関税率や目的、その結果がどうだったか、株価への影響などをまとめたものです。
関税政策は政権中に大きくプラスになったものが実は多く、関税政策は、国内産業の保護を目的としてものがほとんどで、外国の輸入品を購入しないように関税をかけ、国内で生産されたものを国民が購入することで経済的な利益を国内の産業にもたらそうとする目的を持ちます。
一方で、各国は対抗して関税を高くするため、海外に輸出する場合に関税がかけられ経済が悪化する可能性があります。
過去最も深刻な影響を与えた1930年のハーバート・フーヴァー政権のスムーと・ホーリー関税法と、今回のトランプ政権2の関税について比較してみます。

左のフーバー政権と、右のトランプ政権Ⅱでは、関税導入の法的根拠が連邦法と大統領令などの違いがあり、トランプ政権では状況により柔軟に関税の変更が可能な点が大きく、相手国の対応により状況が緩和される可能性を残しています。
ベトナムはすでに関税撤廃に向け両首脳が電話協議に入っており、ベトナムに製造拠点を持つナイキやルルレモンなどの株価が上昇しました。
また、重要な背景の経済状況は、フーバー政権では世界恐慌が進行中の時に、関税政策に踏み切ったというタイミングの悪さが経済に大きく影響しました。一方トランプ政権では、現在インフレの高止まりがありますが、失業率は低く、フーバー政権当時と比べると余裕がある状況です。
政策の意図としては、フーバー政権は必要に迫られた国内産業の保護政策としての関税政策でしたが、トランプ政権では外交カードを手に入れるための政策意図があります。

結論としては、この二人の政策は高い関税政策という点は一致するものの、トランプ政策では状況によって変更しやすく、経済環境の状況がフーバー政権の恐慌時代とは全く異なっている部分では、比較的楽観的な状況ではあると考えられます。
ただし、今後の報復関税が固定的になる可能性もあり、特に中国やEUとの確執が高まると、経済状況の悪化が長期化することも懸念されます。
ちなみにフーバー政権では、底打ちつまり、反転までの期間は2年10ヶ月で、高値回復までの期間は25年かかっています。
過去の関税政策をとった政権とブッシュ大統領時代の経済危機を比較して、底打ちまでの期間をみると短くて1年5ヶ月、長くて2年10ヶ月耐えれば良さそうですね。長いですけど。

そのほかに、希望の持てる傾向として、ネット証券の普及や、幅広い個人投資家の参加、アルゴトレードなどで、株式市場の暴落からのリカバリーが早まっている傾向があり、もしかして新NISAの積立期間は、将来的に振り返ったら最高の仕込み期間になるかもしれませんね。
ニュースチェック
続いてニュースチェックです。

4月5日 ブルームバーグ「コロナ禍以来最悪の株価メルトダウン、関税で世界的景気後退に現実味」によると、
S&P500種急落、約5兆ドルの時価総額が消失
原油価格も需要減退観測で下落、恐怖指数は2020年以来の高水準
とのこと。
でしょうね。としか言いようがないですね。
その後の投稿ではパウエルFRB議長に非難の矛先を向け、「金利を引き下げるには今が絶好のタイミングだ。議長はいつも『遅れて』いるが、今ならそのイメージを覆し、素早く行動できる」と主張しました。

4月5日 ブルームバーグ「トランプ減税延長と債務上限引き上げに向け前進-米上院が決議案可決」によると、
関税で混乱する金融市場にわずかながらも確実性与える可能性
債務上限到達を回避するため借入限度額の引き上げも盛り込む
とのこと。
ここには、今後10年間で1兆5000億ドル(約220兆円)の追加減税を認めるとともに、財務省がこの夏に債務上限に達する事態を回避できるよう連邦政府の借入限度額を5兆ドル引き上げることも盛り込まれており、新たな減税で市場が活性化し、確実性を与えることで企業の投資を後押しすると主張している。とありました。
経済指標とセンチメントチェック
続けて経済指標とセンチメントチェックをしていきましょう。

4月1日火曜日 ISM製造業購買担当者指数
が発表されました
前回50.3、予測49.5のところ、結果49でした。前回と予測ともに届かず不調な結果を示しました。

同日にジョルツ ジョブオープニングスの発表がありました。
前回7.762ミリオン、予測7.63ミリオンのところ、結果7.568でした。まだ余裕はあるものの、労働市場の健康状態は若干低下を示しました。
3日木曜日に、関税政策が発表されました。

各国の米国対する関税に対し、今後実施する追加関税をリスト化して発表しました。
日本は、アメリカに46%の関税を課しているとされており、米国は24%の相互関税を課するとのことです。
3日 日経夕方版によると、この税率の算出方法に疑念が生じているとのことです。相手国が元々課している関税を考慮しているとしているとしつつ、
実際は貿易赤字の金額を元にした大雑把な数字である可能性が浮上しました。
アメリカ商務省のデータをもとに、アメリカが各国と地域の取引で去年計上した貿易赤字がくを輸入額で割ったところ、政権が史料で示したおよそ180カ国と地域のアメリカ製品への関税率と一致しました。
(※動画内で詳しく説明しています。)

3日木曜日は、ISMサービス業、購買担当者指数が発表されました。
前回53.5、予測53のところ、結果50.8で好調さが弱まりました。
4日 金曜日は、非農業部門雇用者数が発表されました。
前回117,000人、予測135,000人のところ、結果228,000人で大幅な増加となりました。
同日、失業率が発表されました。
前回4.1%、予測4.1%のところ、結果4.2%で少し上昇しました。
5日 土曜日は、パウエル議長のスピーチがありました。

4月5日 ブルームバーグ「パウエル議長、関税でインフレ長期化を警戒-様子見維持を示唆」
によると、
関税によるインフレへの影響、「より持続的になる可能性もある」
政策調整前に、状況が明確になるまで様子見できる好位置にある
とのことで、
この感じだと、市場の高まる利下げ期待よりも、パウエル議長はインフレへの警戒を強め、利下げへの言及は控えているように見えます。
続けて株式市場の状況を見ていきます。

株式市場の心理を示すCNNのフィア & グリードインデックスでは、
先週22のエクストリームフィアを示していたインデックスは、
現在4のエクストリームフィアとなりました。
こんな恐怖見たことあります?

イールドカーブはプラス圏で、先週の0.38から、現在0.33と、若干低下しました。

間違いなく市場は恐怖に包まれています。

フェドウォッチツールを確認します。
6月18日が次の利下げという予測が大半なところは変わりありませんでしたが、2段階の予測がかなり増えました。2段階目の予測の多数派は、7月30日となり、先週より一段前倒しになりました。今年中に4回の利下げ予測が多数となっています。

それでは為替ドル円を確認します。
先週149.8円台から一時144ドル台にタッチし、現在146.9円台、-1.94%でした。
週間主要チャートチェック
それではこれらを踏まえて週間の米国主要チャートを見ていきます。

S&P500は、先週末5,580ドル台から今週終値、5,074ドル台
-506ドル
-9.07%
で引けました。

NASDAQ100は、先週末19,281ドル台から今週終値17,397ドル台
-1,884ドル
-9.77%
で引けました。

主要チャートの先週末の終値から1週間の上昇率を確認していきます。
好調な長期国債ETFのEDV、ビットコインでした。
今週はいがいにもゴールドが下げました。

日経225、2559オールカントリー、インドNifty50指数、399001中国シンセン総合指数では、日経225が-8.85%
他もプラスがありませんでした

FANG+と、NASDAQ100の3倍レバレッジ指数TQQQ、フィラデルフィア半導体指数のSOXでは、全てマイナスで、下落幅も大きく半導体勢には引き続き厳しい1週間でした。

各国インデックスやコモディティ比較の週次5分足チャートでは、
米国長期国債のEDV以外はプラスがないです。
セクターと個別株チェック
今週のセクターと個別株チェックです

S&P500時価総額の週次パフォーマンスをヒートマップで見ると、かつてのマグニフィセント7や、FANG銘柄、期待されていたブロードコムは、二桁下落。ヘルステクノロジーのリーダー、イーライリリーはほぼ二桁下落、
エネルギー鉱物のリーダー、エクソンモービル
も二桁下落です。
新旧NISA口座公開

新NISA口座は、1週間で-234,307円でした。旧NISA口座は、1週間で-430,678円でした。
新旧NISA口座は、1週間の合計で-664,985円でした。
(※動画では私の投資戦略についてもお話ししています。)
来週の予定
10日木曜日 FOMC議事要旨が公開されます。
同日夜にCPI消費者物価指数、コアCPIが発表されます。
コアCPI前年比は、前回3.1%、予測3.0%です
11日 金曜日は、PPI「生産者物価指数(前月比)」が発表されます。
前回0%、予測は、0.2%です。
同日ミシガン消費者信頼感指数・速報値が発表されます。
前回57、予測54.5です。

続いてアーニングス ウィスパーズで決算予定をチェックします。
こんな時に決算発表がある企業はかわいそうですが、
金曜日に金融セクター大手の決算発表が集中しています。
終わりに
今、私たちは歴史的な暴落の中にいるようないないような、すごい状況になっていますね。特集で取り扱ったように、歴史的な関税を主因とする暴落・リセッションと比較すると、トランプ大統領の政策は、固定的ではなく交渉の余地があり、柔軟性が高いと言えるようです。
トランプ大統領とパウエル議長の我慢比べに巻き込まれつつも、暴落の直後に起こる急上昇に乗れるように市場参加は続けていきたいと思います。
皆さんは、この相場、どのように行動しますか?
ぜひコメントくださいね!
それでは、私自身は今後も、NISA口座の方針は変えずに、米国株メインの方針で握力を鍛えていきたいと思います。
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